LIFE STYLE
By 深井麻実
焼き鳥の定番である砂肝は、コリコリした食感が魅力。しかも低カロリーなので砂肝ダイエットをする女性も多数。今回は、砂肝ダイエットの効果ややり方と共に、砂肝ダイエットレシピもご紹介します。
【目次】
コリコリした食感が癖になる砂肝。世界中で食べられている食材で、日本では焼き鳥などで親しまれています。
砂肝は、ほとんどが筋肉でできているのが特徴。どおりで他の肉とは違いあっさりしていて、歯ごたえがある食感なわけです。
レバーやホルモンのような内臓独特の臭いがないのも大きな魅力。調理の際に臭み抜きをする必要もなく、下処理も簡単。
味も淡泊でどんな料理とも合うので、アレンジしやすいのも人気の理由でしょう。
砂肝にはほとんど脂質がなく、高タンパク低カロリーでダイエットには最適。
砂肝のカロリーは、100gあたり94kcal。ダイエット向きの食品として有名な鶏の胸肉(108kcal)やささ身(105kcal)よりも低カロリーです。
焼き鳥の場合は、砂肝2本あたり約75kcal。同じく内臓系のハツは2本で約166kcalと約2倍!
ダイエット中でも安心して食べることができます。
砂肝には、美容と健康に効果的な栄養素が豊富に含まれています。中でも女性に嬉しい栄養素が以下の3つ。それぞれの効果をチェックしてみましょう。
■ビタミンB12
女性に多い症状である貧血に効果を発揮する栄養素。その効果は、鉄分と同じくらいと言われています。
配合量は、100gあたり1.7μg(マイクログラム)。1食あたりの理想的な摂取量の目安は0.8μgなので、砂肝を50gほど食べれば十分です。
主な役割は、葉酸と協力してヘモグロビンをつくること。ヘモグロビンは、赤血球の中で酸素を運ぶ働きがあります。
ビタミンB12は、植物性食品には含まれていないので、動物性食品から摂取する必要あり。不足すると、血が薄くなって貧血症状が出たり、体内でスムーズに酸素を行き渡らせることができなくなります。
それによって、血色が悪くなったり、肌荒れや目の下のクマなど美容面でもデメリットがあるでしょう。
■鉄分
女性にとっては欠かせない栄養素が鉄分。特に貧血気味の方には必要不可欠ですが、砂肝には100gあたりと2.5mgと、牛肉の赤身部分と同じくらい含まれています。
鶏肉の中でも、もも肉や胸肉、ささみにはさほど含まれていないので、ピンポイントで砂肝を摂取する必要あり。
また、動物性食品に含まれている鉄分(ヘム鉄)は、植物性の鉄分(非ヘム鉄)より吸収率が高いのが特徴。
比較的吸収しにくい鉄分ですが、砂肝からは効率よく摂取できます。
■亜鉛
亜鉛は、体の機能がスムーズになる栄養素。
1食あたりの理想的な摂取量の目安は3mgですが、砂肝を100gほど食べれば摂取できます。
亜鉛の働きは、代謝を活発にして肌のターンオーバーをサポート。代謝機能が衰えると、肌の再生ができなくなり肌トラブルの元になります。
また、亜鉛が不足すると肌荒れを引き起こし、鼻や喉の粘膜を弱めてしまうのが心配。ウイルスの侵入を阻止できなくなってしまうので、抵抗力が落ちることも。
さらに、舌の表面にある味を感じる「味蕾(みらい)」の生まれ変わりを阻止。そもそも生まれ変わりが激しい器官で、うまくいかないと味覚障害の症状が出るケースもあります。
砂肝は、糖質ゼロで脂質も100gあたり1.8gと少なめ。それに対して、ダイエット時に積極的に摂りたいタンパク質は、100gあたり18.3gとかなり多め。
ダイエット中の定番である鶏むね肉やささ身と同じく、ほとんどがタンパク質。糖質制限や低脂質ダイエットにも向いていると言えます。
効果的なダイエットとは、健康的な体に必要な栄養をしっかり摂りながら、脂肪を燃焼させるのが基本。
砂肝には豊富な栄養素が含まれていて、エネルギーとなり効率的に脂肪を燃焼。うまく取り入れることでダイエットに役立ちます。
前出の通り、砂肝は糖質や脂質が低くほとんどがタンパク質です。
タンパク質は、筋肉を作る栄養素。特に、動物性タンパク質は筋肉になりやすいので、ダイエット時には必須と言えます。
さらに、代謝が上がることで、効率良くカロリーを消費する効果も。
砂肝を食べて筋トレなどの運動をすれば、痩せやすく太りにくい体質になり、ダイエットを成功に導いてくれるでしょう。
どんな食べ物でもそうですが、食べ過ぎると栄養が偏り、健康的に痩せることができません。もちろん砂肝も、ダイエットにはおすすめですが食べ過ぎは体への影響が心配。
いくらヘルシーとはいえ、摂取量には注意が必要です。
女性の場合は、砂肝100gで1日に必要なたんぱく質の量が摂れるので、他食材との兼ね合いを考慮しながら食べるようにしましょう。
また、砂肝を調理する時に使う油や調味料が多過ぎる場合も、体に悪いメニューに。塩分や油分は極力控えめにするか、ごま油やオリーブオイルなど脂肪になりにくい油を使うのもおすすめです。
■量は控えめに
砂肝の食べ過ぎは、プリン体の過剰摂取にもつながります。
砂肝に含まれているプリン体の量は、焼き鳥串2本分(60g)で86mgと他の食品に比べてやや多め。
プリン体とは、もともと体内に存在する成分ですが、過剰摂取は痛風や高尿酸血症のリスクを高めることに。
特に、砂肝をおつまみとしてアルコールと一緒に食べる場合は、摂取量が多くなるので注意してください。
■コレステロールに要注意
砂肝は高タンパク低カロリー食材ですが、コレステロール値は決して低くはありません。
コレステロールは体に必要な栄養素ですが、過剰摂取は脂肪がつく原因に。また、摂り過ぎると血中コレステロール値が上がり、糖尿病や高血圧を引き起こすことも。
ダイエット効果があるとはいえ、砂肝を食べ過ぎると体に害を与える可能性があることを覚えておきましょう。
エスニック風の味付けが癖になる砂肝メニュー。パパッと簡単にできるので、忙しい時にも便利です。
■材料(2人分)
・しいたけ 6個
・砂肝 200g
・パクチー 50g
・おろしにんにく 少々
・ごま油 大1
・塩 ひとつまみ
・酒 大1
・ナンプラー 大1
下味用
・酒 小1
・塩 ひとつまみ
■ 作り方
1.砂肝は、両端と中央にある白い部分をカットして、2ヶ所に切れ目を入れて下味をつけます。
2.しいたけは、軸の先部分のみを切って4等分、パクチーは3cmほどにカットします。
3.フライパンにごま油を熱して、温まったら砂肝を入れます。
4.砂肝に油がなじんだら、いったん蓋をして蒸し焼きにします。
5.中火にして、しいたけ、おろしにんにく、塩を加えて炒めます。
5.しいたけに火が通ったら、パクチー、酒、ナンプラーを加えて全体を混ぜるように炒めましょう。
あっさりした砂肝のおつまみ。もみじおろしのピリッとした辛味がポイントです。・
■材料(2人分)
・砂肝 200g
・ポン酢 適量
・青ネギ 適量
・もみじおろし お好みで
・レモン お好みで
■作り方
1.砂肝は5mm幅の薄切りにして、熱湯でしっかり火が通るまで茹でます。
2.1.をザルにあげて、軽く冷水にさらします。
3.2.の水気をしっかりと切り、刻んだ青ネギとレモンのいちょう切り、もみじおろしをのせてポン酢をかけます。
砂肝ともずくは両方とも低カロリー食品。市販のもずく酢を使えば調味料を加えることなく簡単に仕上がります。
■材料
・砂肝 100g
・市販のもずく酢 1個
■作り方
1.砂肝は細切りにして、耐熱皿に入れて600wの電子レンジで2分加熱します。
2.少し冷まして、もずく酢と和えたら出来あがりです。
大人女子に人気メニューのアヒージョも、砂肝との相性抜群。おもてなし料理にもぴったりです。
■材料(2人分)
・砂肝 300g
・ブロッコリー 1/3房
・ミニトマト 4個
・にんにく 2片
(調味料)
・オリーブオイル 80ml
・塩 小1/2
・鷹の爪 適量
・ハーブソルト 適宜
・バゲット 適量
■作り方
1.にんにくはスライスします。ブロッコリーはひと口大に切って、600wの電子レンジで2分加熱します。
2.砂肝は真ん中で半分に切り、筋を取り除き、切り目を入れて火が通りやすいようにします。
3.スキレットなどにオリーブオイルを入れて、1.と2.を敷き詰めて、塩、鷹の爪を加えて弱火で加熱します。
4.砂肝は、ひっくり返しながら全体に火を通します。
5.砂肝に火が通ったら、ブロッコリーとミニトマトを加えて少し加熱して火を止めます。
6.お好みでハーブソルトを振ったり、バケットにのせて食べましょう。
ベーコンの代わりに砂肝を使ったペペロンチーノ。もちろんパスタに和えても美味しく食べることができます。
■材料(2人分)
・レタス 1/2玉
・砂肝 6個
・にんにく 2片
・塩 適量
・塩麴 小2
・オイスターソース 小1
・オリーブオイル 小2
・輪唐辛子 3つまみ
■作り方
1.レタスはひと口サイズにちぎり、にんにくと砂肝はスライス、ベーコンは細切りにします。
2.砂肝に塩麹とオイスターソースをもみ込んで15分置きます。
3.フライパンにオリーブオイルをひいて中火で加熱します。
4.3.に砂肝を加えて、2分間炒め煮します。
5.4.ににんにくと輪唐辛子を加えて、90秒間炒めます。
6.水気を切ったレタスを加えて、しんなりする直前まで炒めます。
低温で火を入れることで柔らかく仕上がる砂肝のコンフィ。ジッパー袋さえあればできる簡単レシピです。
■材料(2人分)
・砂肝 140g
・オリーブオイル 75ml
・きざみ青じそ 大4
・生にんにく 大4
・乾燥パセリ 大2
・醤油 小1
・ピンクペッパー 適量
■作り方
1.砂肝は半分に切り、ジッパー袋に入れます。
2.ピンクペッパー以外の調味料をすべて入れてしっかり揉み、冷蔵庫でひと晩寝かせます。
3.大きめの鍋に水を入れて、2.をジッパー袋ごと入れて蓋をして弱火にかけます。グツグツしてきたら火を止めて、そのまま15分放置します。
4.再び火をつけて弱火のまま1時間ほど温めます。
砂肝ダイエットは、食べる量に気をつけながら継続することで効果が期待できる方法。ご紹介したやり方を参考にして、ぜひ始めてみてください。