LIFE STYLE
By 深井麻実
膝コロとは、腹筋ローラーを使うトレーニングの1種。初心者でも無理なく始められるうえに効果も抜群です。今回は、膝コロのやり方や回数の目安など、腹筋ローラー初心者向けに詳しくご紹介します。
【目次】
「膝コロ」とは、腹筋ローラーを使って行うトレーニング。名前の通り、膝を床についた体勢でローラーを転がします。
腹筋ローラーは、車輪の両側にグリップがついているトレーニング器具。ローラーを前後に動かしながら腹筋を鍛えるのが目的です。
車輪の大きさや太さ、数など様々な種類がありますが、初心者はローラーが大きめで握りやすいグリップを選ぶのが○。
ローラーを転がす姿勢によっても難易度が変わりますが、膝コロは比較的簡単です。
立った状態で転がす「立ちコロ」というやり方もありますが、膝コロの方が難易度低め。腹筋ローラーを初めて行う方は、膝コロから始めるのがおすすめです。
膝コロもキツい!という方は、もうワンランク簡単なやり方からスタート。押し出したローラーを元に戻す時に、そのまま前に倒れるだけの「膝コロン」から始めてみましょう。
膝コロは、腕立て伏せをする時のような体勢で腹筋ローラーを持ち、膝を床につけてローラーを前後に転がすトレーニング。
膝コロで鍛えられるのは「腹直筋」や「腹斜筋」。お腹周りの筋肉に効くので、ポッコリお腹やくびれを作るのに効果的。
他にも「上腕三頭筋」「脊柱起立筋」など、腕や背中をスッキリさせる効果も期待できます。
腹筋ローラーを使ったトレーニングにおいて、膝コロは初級から中級レベル。立ちコロは上級レベルと言えます。
前出の膝コロンはできるけれど、立ちコロはまだできないという方にぴったりです。
ある程度筋肉がついていないと難しいメニューではあるので、購入して初めて行うならまずは膝コロンから始めるのがおすすめ。
軽くできるのであれば、膝コロに移行してみましょう。
膝コロをする時に必要なのは、腹筋ローラーとヨガマット。
膝に負荷がかかるので、ヨガマットがないと膝が痛いです。ヨガマットの上でも痛みを感じる時は、膝の下にクッションや座布団などを置くと良いでしょう。
膝コロは、トレーニングの中では比較的簡単です。しかし、間違ったやり方をするとせっかくの効果が台無しに。
姿勢や動作を正しく行うのはもちろん、呼吸法やしっかり筋肉に効いているかどうかを確認しながら行いましょう。
1.まずは基本姿勢をマスターします。
ヨガマットの上に両膝立ちになり、足は肩幅くらいに開きます。前方に体を倒して腹筋ローラーのグリップをしっかり握ります。握りが甘いと負荷がかかりにくくなり、しっかり効かないので注意してください。
手首から肩までのラインが床と垂直になる位置に腹筋ローラーを固定しましょう。
2.息をゆっくり吸いながら、ローラーを真正面に向かって押し出します。
押し出すスピードはできる限りゆっくりにして、腹筋が刺激されていることを意識しながら行います。
頭は前に向けるのではなく、おへそを覗き込むように。背筋を反ると背中を炒める危険があるので、水平かやや猫背気味でもOKです。
3.上半身をゆっくりと伸ばしていき、限界まできたらストップします。
背筋が水平になっているか、手首が曲がっていないか、腹筋に効いているかを確認しましょう。
この状態で数秒間キープすると、腹筋への負荷も大きくなり効果も上がります。
4.ゆっくりと元の体勢に戻ります。
押し出した時と同じくらいゆっくり戻るのがポイントです。
戻る時はお腹や腕の力を使います。この時体重を支えている膝の力で戻ると、効果が弱まるので気をつけましょう。
膝コロを行う回数の目安は、10回を1セットとして3セットが理想的。1セット終わったら1分間のインターバルを挟んで、呼吸を整えてから行いましょう。
初心者の場合は、いきなり10回はキツいかもしれません。まずは、5回×2セットから始めて、徐々に増やしていくのがおすすめです。
ストレスにならない程度に進めていって、最終的には10回×3セットができるように。
もちろんできるのであれば構いません。ただし、それなりの筋肉がついていないと体に負担がかかるので、様子を見ながら増やしていってください。
どんなトレーニングでも、短期間で効果を実感したいものです。そのためにも、膝コロを行う際のポイントを押さえておきましょう。
そもそも腹筋ローラーは、お腹の筋肉を鍛える器具。
特に初心者の場合は、膝コロを行う時に背中で体を支えてしまうことが多く、腹筋に負荷がかかりにくくなります。また、腰痛の原因にもなるので良いことなし。
一番重要なのは、背中ではなくお腹で体を支えるよう意識すること。お腹を軽く丸めた状態で、下腹にグッと力を入れながらローラーを転がします。
そうすれば、腹筋への負荷を上げることができるうえに、ケガを防ぐこともできるでしょう。
■おへそを見ながら行うのがポイント!
膝コロを行う時は、ローラーを転がす際に目線をおへそのあたりに向けること。背中が反る心配もないので、自然とお腹に力が入ります。
前を向きながら行うと、背中が反って腰を痛める原因になることも。
特に初心者の方は、常におへそ辺りに視線を向けながら行うと良いでしょう。
どんな筋トレでも、呼吸法は非常に大切なポイント。基本的には、筋肉が収縮する時に息を吐ききること。それによって筋肉の持つ力が最大限に発揮できて、スムーズに次の動きに移れます。
膝コロの場合は、ローラーを前に転がして体を伸ばす時に息を吐き切り、元に戻す時に息を吸うのが正しい呼吸法。
ついつい姿勢に気を取られて、息を止めてしまう人もいますが、それでは筋肉の力が発揮できないので気をつけてください。
筋肉は、限界まで負荷がかかると筋組織が破壊され、より大きくなります。
膝コロの場合は、ローラーを限界まで前に押し出すことで、負荷が最大に。これ以上できないと感じるところまで押し出すのがポイントです。
さらに、限界まで押し出した時点でストップすることも重要。キープすればするほど、腹筋に効きます。
膝コロは、途中で諦めたら効果を得られない筋トレ。1回1回限界まで踏ん張りましょう。
基本的に、筋トレは回数よりも正しいフォームやしっかり負荷がかかっているかどうかが重要。
膝コロも同様で、正しいやり方で行わなければ回数をこなしても意味がありません。
効果ない100回よりも、正しいやり方で行う1回の方が効き目あり。きれいな腹筋を目指すには、まず正しいフォームを身につけるのがマストです。
回数を増やすのは、それからでも十分。量より質を優先しましょう。
腹筋ローラーで膝コロを行う時は、正しいやり方で行わなければ、効果がないどころかケガをする可能性も。
守るべき注意点をチェックしておきましょう。
膝コロを行う時に手首が手の甲の方に反っている(手首が返っている)と、背中が反りやすい状態に。さらに、グリップの効きも悪くなってしまいます。
手首から前腕は一直線に保つのが理想的。難しい場合は、手のひらの方に軽く曲げてもOKです。
手首を返さないように、また、力を入れ過ぎずリラックスした状態で行いましょう。
筋トレのやりすぎは、ケガの原因になります。
膝コロはそれなりに負荷がかかるトレーニングなので、上級者でも10回×3セットが基本。
早く腹筋を割りたいから50回!などと頑張りすぎるのは禁物です。
もし途中で痛みを感じたら、すぐにストップ。時間が経っても痛みが引かない場合は、受診をおすすめします。
せっかく腹筋ローラーを購入したのに膝コロができない!という方は、途中で腹筋の力が抜けて体を支えることができないのが原因。
そんな時は、壁を補助代わりにして練習するとできるようになります。
1.壁に向かって腹筋ローラーを押し出して、腹筋に力が入った状態でローラーが壁にぶつかるギリギリの距離をキープします。
2.あとは、壁にローラーをぶつけながら膝コロするだけです。ぶつかった時点でも腹筋の力を抜かないようにしましょう。
3.1日10回×3セットが目安。余裕が出てきたら少しずつ距離を伸ばしていきます。
4.毎日行うことで、徐々に腹筋が鍛えられて壁がなくてもできるようになるでしょう。
膝コロがらくにできるようになったら、効果を高めるためにも次のステップ「立ちコロ」へ!
ただし、できない状態で進むとケガの原因に。壁を使わず膝コロが10回以上できるのを目安としてください。
1.まずは壁に向かって練習。
立ちコロの場合も、まずは壁をストッパーに。体をしっかり支えられないとできないので、壁を利用して体が完全に伸び切らない状態で行います。
徐々に壁との距離をとりながら、体の可動域を広げていきます。完全に体を支えることができたら、壁なしで行ってみてください。
2.立った状態から腹筋ローラーを押せるように。
膝をつかずに、無理のない範囲で腹筋ローラーを前に転がします。
勢いで転がすと、腹筋の力だけでは制御できないので注意が必要。ゆっくりと限界まで伸ばしていくのがポイントです。
3.膝をつかずにローラーを引き戻す。
2.の状態で腹筋に力を入れていったんキープしたら、ゆっくりと息を吸いながらローラーを引き戻します。
体は直立のまま背中が反らないように、目線はおへそ辺りへ。
膝をつくことなく一連の流れができれば、安心して立ちコロに移行できるでしょう。
腹筋ローラーを使った膝コロは、短期間で効果を得やすい筋トレ。正しいやり方をマスターすれば効率よく鍛えられるので、ぜひトライしてみてください。