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By 桐山忍
腕立て伏せは一見簡単そうに見えますが、実際に行うとかなりきつい筋トレの一種。女性の中では、腕立て伏せが1回もできない人は多いです。今回は腕立て伏せができない原因を深堀りし、その対策のための筋トレ方法をご紹介します。
【目次】
筋トレの中でも、知らない人がいないほどの知名度を誇る腕立て伏せ。いざ実践してみると意外とできないなんて経験を持っている人は多いのではないでしょうか。特に女性で腕立て伏せができない確率は高く、できても1回がやっとというケースも。
ではなぜ腕立て伏せができる人と、できない人がこうもはっきり出てしまうのでしょうか。単純なところでいうと、「腕の筋力が弱い」というのがあげられます。腕立て伏せは身体の上半身を両腕で支え、且つその重みを両腕に抱えたまま肘を曲げ伸ばしします。この動作を行うための、腕の筋肉が少ないというのが、腕立て伏せができない原因です。
腕筋力以外にも体幹の弱さもあります。腕立て伏せを正しく行うには、腕以外にも体全体の姿勢をキープする必要があります。そのためにも体幹が必要になるので、弱ければ当然きついと感じます。
また、体重が重ければそれだけ筋力が必要になります。中でも体重が多い人は、腕立て伏せはかなり大変に感じるので、なかなかトレーニングとして取り入れるのは難しいと感じるかもしれません。
腕立て伏せができない理由は、主に筋力が原因として考えられますが、体重も大きく関係しています。しっかり実践できるようになるには、これらの原因を解消する必要があります。
まず腕立て伏せに必要な筋肉は、腕の部分にある上腕三頭筋と上腕二頭筋。加えて胴体部分の筋肉全体である体幹も必要です。これらの筋肉を集中的に刺激することで、腕立て伏せが気軽にできるような体作りが可能です。
ちなみに上記の筋肉を鍛えると筋肉量が増えるので、新陳代謝の向上とともに余分な脂肪が燃焼しやすくなります。汗も出やすくなり、血行促進にもつながるので肌質が向上したり、冷え性の解消も期待できます。
もちろんダイエットとしての側面もあるので、脂肪量の減少やスタイルアップにも繋がるでしょう。
プランクは、腕立て伏せのための筋肉を鍛える方法として最も有効な筋トレ。特定の姿勢をキープするだけなので、難しい動作も必要ありません。ただし自分の体重を負荷として活用するので、あまり体重の重い人には厳しいかもしれないので注意しましょう。
方法は腕立て伏せのように足のつま先を立て、肘を床につけて上半身を浮かせます。この状態をキープし、最初は30秒ほどからはじめて、徐々に1分から5分程度まで伸ばしていきましょう。
プランクのポイントは身体を一直線に保つことで、腕をはじめ腹筋や太ももなどの筋肉全体を使うように意識します。この方法は体幹トレーニングとして知られていますが、インナーマッスルの強化にも有効です。
リバースプッシュアップは、日本語にすると逆腕立て伏せです。主に上腕三頭筋を鍛える自重トレーニングの一つで、腕を細くする効果も期待できます。
リバースプッシュアップは、椅子やトレーニング用のベンチを用いて行います。椅子などに座り両手をお尻の横に置き、そのままお尻を座面から前の方に滑らせて腰を落とします。肘が90℃になる程度まで腰を落とし、腕の力を使って上半身を上げていきます。下げた状態で1回になり、これを20回ワンセットで2~3セットほど行いましょう。
膝を曲げてもいいですが、もっと負荷が欲しい場合は伸ばした状態で実践します。ゆっくりと行うことで筋肉への刺激も増えるので、効率的に鍛えることが可能です。
アームレッグクロスレイズは、プランクを進化させたようなトレーニングで、体幹を鍛える方法としても知られています。腕や上半身の筋肉を鍛える方法なので、バランス力もつく筋トレです。
四つん這いの状態で、肩幅と同じ位置に両手と両膝を床に置きます。その状態で右腕と左足を同時に上げましょう。この時、指先から足のつま先まで一直線になっているのが理想的。1~2秒ほど姿勢をキープし、元の位置に戻します。今度は左腕と右足を同時にあげて下ろします。これを一回とし、10~20回できれば理想的です。
腕と足を上げた際、バランスが悪くなることもありますが、できるだけ姿勢を維持して我慢しましょう。おなかを突き出すと姿勢を維持しやすくなりますが、効果が半減してしまうので腹筋を意識して上半身をまっすぐキープします。
上記のトレーニングで体を慣らしたら、腕立て伏せも多少はできるようになっている頃かと思います。そこで壁を使った腕立て伏せを用いて、練習を兼ねて正しい姿勢を確認してみましょう。
肩幅ほどに足を開いた状態で壁の前に立ち、両腕を伸ばして手の先がつく程度まで距離を離します。両方の手のひらを、肩幅の広さで壁につけます。この状態で胸を張りつつ顔を壁に近づけましょう。
肘が外側ではなく、後方に曲げるように行うのがコツ。体も足のつま先から頭まで一直線をキープします。できれば20回ほどを目標とし、慣れてきたら壁から床へと場所を変えて、同じような要領で腕立て伏せを実践していきます。
女性は男性に比べて筋力が弱く、運動不足の人にとっては腕立て伏せが難しいですが、腕立て伏せにはさまざまな魅力があります。腕立て伏せの嬉しい魅力について確認していきましょう。
プヨプヨとした二の腕や背中の贅肉、ポッコリと出たお腹に悩んでいる人は多いです。プヨプヨの二の腕や贅肉が目立たない、引き締まった体型を手に入れたい人は腕立て伏せにチャレンジするのがおすすめです。
腕立て伏せをすると、二の腕以外に胸や背中、お腹などの上半身にある筋肉が鍛えられます。上半身の筋肉が鍛えられると、二の腕や背中、お腹が引き締まるので、脂肪が気にならない理想的なスタイルに近づけます。
腹筋などの筋トレは一部の筋肉に対して集中的に負荷をかけますが、腕立て伏せは上半身のさまざまな筋肉を鍛えられます。そのため、腕立て伏せを続けていると、効率的に基礎代謝を向上させられます。
■腕立て伏せで基礎代謝を向上させられる理由
筋肉は負荷をかけることによって大きくなります。そのため、腕立て伏せで上半身に負荷をかけると、上腕三頭筋や胸筋、腹筋、背筋などの筋肉が大きくなります。
筋肉が大きくなると、筋肉の働きを維持するために、多くのカロリーが使われるようになります。筋肉の維持に使われるカロリーは基礎代謝の一部なので、腕立て伏せをすると、基礎代謝を高められるです。
■基礎代謝を高めるメリット
筋トレによって基礎代謝が上がれば、ダイエットに効果を期待できます。基礎代謝は、生きていくために使われるエネルギーです。
運動などで使われるエネルギーとは異なり、寝ていたり、座っていたりするだけでも消費されるので、基礎代謝が高まると痩せやすい体質を手に入れられます。
「胸が小さい」「バストが垂れてきた」などと胸にコンプレックスを抱えている女性は多いです。胸にコンプレックスを抱えている場合、腕立て伏せをすると、理想的なバストを手に入れられるかもしれません。
■腕立て伏せをするとバストが大きくなる?
バストの下には大胸筋と呼ばれる筋肉があります。大胸筋はバストの土台となっているため、トレーニングで大胸筋を厚くすれば、バスト全体を大きく見せられます。
腕立て伏せは大胸筋に厚みを出してバストを大きく見せたい人におすすめです。継続的に腕立て伏せをしていると、少しずつ大胸筋に厚みが出て、胸が大きく見えるでしょう。
■バストの垂れやハリ不足にも腕立て伏せは効果的
年齢とともにバストが垂れてきたり、バストにハリがなくなってきたりして悩んでいる人も多いでしょう。腕立て伏せはバストの垂れやハリ不足の解消にも効果を期待できます。
大胸筋はバストの脂肪や乳腺組織を支える土台の役割を担っています。そのため、加齢や運動不足で大胸筋が衰えると、バストが垂れたり、ハリが不足したりするのです。
一方、腕立て伏せで大胸筋を鍛えると、バストを支える力が強くなります。大胸筋がしっかりとバストを支えられれば、上向きのピンと張った魅力的なバストを手に入れられるでしょう。
■大胸筋を鍛える腕立て伏せの方法
大胸筋を鍛えたい時は、一般的な腕立て伏せをする時よりも腕を広めに開いて、胸の筋肉を意識しながらトレーニングしましょう。大胸筋を鍛えることをしっかりと意識することがポイントです。
成長ホルモンの分泌量が増加することも腕立て伏せの魅力です。成長ホルモンとは、体を成長させたり、代謝を促進したりするホルモンであり、成長ホルモンが増えれば、美容にさまざまな効果を期待できます。
■美肌に近づける
肌の細胞は日々、ターンオーバー(新陳代謝)によって生まれ変わっています。ターンオーバーが正常に行われていることで、古い細胞や不必要なものは肌から排出され、健康的な肌をキープできるのです。
ところが、ホルモンバランスの乱れやストレスなどでターンオーバーのリズムが乱れると、古い細胞や不必要なものが残ります。すると、乾燥やシミ、ニキビなどさまざまな肌トラブルが起こってしまうのです。
筋トレによって分泌量が増す成長ホルモンはターンオーバーを促進する作用を持っています。したがって、腕立て伏せをして成長ホルモンを増やせば、美肌効果を期待できるでしょう。
■美しい髪をキープできる
成長ホルモンは髪の主成分であるケラチンというタンパク質を合成する働きも担っています。そのため、腕立て伏せで成長ホルモンを分泌させると、健康的で美しい髪をキープできるようになります。
せっかくダイエットをして体重を落としても、姿勢が悪ければ、太って見えたり、老けて見られたりします。腕立て伏せをすると、まっすぐな姿勢をキープするために使われる背筋や腹筋を鍛えられるので、姿勢を改善できるのも魅力です。
姿勢が改善されると、血行が良くなって基礎代謝が上がります。血行が良くなれば、体中に酸素や栄養素が行き渡るので、ターンオーバーの活発化や冷え性の改善にも効果を期待できるでしょう。
女性は男性と比べると筋力が弱いため、腕立て伏せができない方が多いようです。しかし腕立て伏せができるほど筋力があれば、さまざまなメリットがあるのも事実です。今回ご紹介したトレーニングは腕立て伏せにも大いに役立つので、ぜひ日常に取り入れてみてください。