BEAUTY
By 深井麻実
全身の垢をすっきりと落としたいなら、あかすりをするのがおすすめ。あかすりで肌に溜まった角質や皮脂を落とすと、美肌やダイエットに効果を期待できます。ここでは、あかすりの効果や自分であかすりをする方法などについてご紹介します。
【目次】
あかすりは専用のタオルやブラシ、スポンジなどで肌の表面をこすって古い角質や汗、皮脂などを取ることです。古くからフィンランドのサウナやローマの浴場、中東のハマム(公衆浴場)などで行われていて、日本でも昔は「垢すり師」という職業がありました。
■あかすりは痛い?
肌を擦って垢を落とすあかすりには痛いイメージがありますが、痛みの感じ方には個人差があります。痛いと思う人もいれば、気持ちいいと感じる人もいるので、気になる人は怖がらずにチャレンジしてみることをおすすめします。
私たちの肌では日々、ターンオーバーが行われています。ターンオーバーによって新しい細胞が生まれ、古い細胞が角質として排出されることで健康的な肌が保たれているのです。
ところが、ホルモンバランスの乱れやストレス、睡眠不足などの影響でターンオーバーのリズムが乱れると、古い角質は垢として肌の表面に残ってしまいます。古い角質が残れば、新しい細胞が活発に働かず、老化が進んだり、肌がくすんだりしてしまいます。
あかすりは肌の表面の垢を落とします。あかすりによって不要な角質が剥がれると、シワやくすみなどの肌トラブルを予防できて透明感もアップするでしょう。
また、ターンオーバーが活発化されると、メラニン色素の排出も促されるため、シミやそばかす、黒ずみも防げます。
毎日、体を洗っていても体臭が気になることはあるでしょう。体臭は皮膚に蓄積された垢や皮脂、老廃物などを餌に細菌が繁殖して起こります。あかすりで垢や皮脂、老廃物などを取り除ければ、細菌の増殖を抑えられるので、体臭の緩和に繋がります。
デオドラントスプレーなどは発生した臭いを軽減するものですが、あかすりは臭いの原因となる細菌の増殖を止められるので、根本から体臭をケアできるのがメリットです。
あかすりをすると、自律神経が整って心が落ち着くと考えられています。自律神経が整えば、ストレスが原因で起こるさまざまなトラブルの緩和も目指せるでしょう。
また、あかすりで肌の表面に刺激を与えると、筋肉がほぐれて疲労も回復します。日々の生活で心身が疲れている人は、あかすりに挑戦してみましょう。
あかすりのために肌を擦って刺激を与えると、血行が促進されます。血流が促されると、冷えや肩こり、むくみなどのトラブルも予防できるでしょう。
また、血行が良くなれば、体の隅々にまで栄養や酸素が送られるので、肌や髪にも良い効果を期待できます。
あかすりで血行が良くなると、代謝がアップします。代謝が上がれば、脂肪が燃焼されやすくなるので、ダイエットの効果が表れやすいです。
さらに、あかすりには自律神経を整える効果もあると考えられているため、ダイエットによるストレスの緩和や暴飲暴食の予防にも繋がります。
あかすりの施術はスーパー銭湯やエステで受けられますが、自宅でもできます。値段を抑えたい人や手軽にあかすりをしたい人、垢を見られたくない人は自分であかすりをしてみましょう。
■必要なもの
あかすり専用のタオルやスポンジ、ブラシなど
■あかすりの手順
1.15~30分間お湯に浸かって肌をふやかす
2.垢が気になる部分を優しく擦る
3.ぬるま湯で垢を洗い流す
あかすり用のタオルで顔を擦ると、肌が刺激を感じることがあります。顔の角質や皮脂などが気になったら、ピーリングなどでケアしましょう。
■必要なもの
ピーリングジェル
■顔のあかすりの手順
1.目の周りを避けてピーリングジェルを塗る
2.気になる部分を指の腹でクルクルとマッサージする
3.ピーリングジェルを洗い流す
あかすりは美容や健康にさまざまな効果を期待できますが、間違った方法で行うと、肌や体に逆効果です。あかすりを行う前には、デメリットや注意点もチェックしておきましょう。
■擦りすぎない
強い力で肌を擦ったり、何度も同じ部分の垢を落としたりすると、皮膚がめくれたり、傷ができたりして炎症や肌荒れを起こすことがあります。あかすりはクリームを塗るくらいの力で優しく行い、同じ部分を何度も擦らないようにしましょう。
■乾燥に注意
あかすりをすると、皮膚が薄くなって水分のキープ力が低下します。また、肌を擦ると、必要な皮脂も落とされて肌が乾燥しやすくなります。肌が乾燥すると、バリア機能が低下してニキビなどの肌トラブルが起こりやすくなるので、あかすり後はすぐに保湿をしましょう。
■頻繁にやりすぎない
毎日、入浴している場合は、あかすりは月に1回程度で十分です。湯舟に浸からずシャワーだけで済ませている人や垢の量が多いと感じる人は、2週間に1回程度行っても良いですが、それ以上の頻度であかすりをするのは避けましょう。あかすりをしすぎると、肌が刺激を感じて荒れることがあります。
■体臭の悪化に気を付ける
あかすりで必要な皮脂が奪われると、水分を守るために皮脂が過剰分泌されることがあります。皮脂が増えると、体臭の原因となる雑菌が繁殖しやすくなるので、あかすりをする時は適切な頻度や力加減で皮脂を守りましょう。
■肌が敏感な時は控える
肌が敏感な時にあかすりをすると、痛みを感じたり、肌トラブルに繋がったりします。あかすりは肌状態が落ち着いている時にだけ行いましょう。
肌への負担が心配な時は、ナイロンなどの化学繊維ではなく、シルクやコットンなどの天然繊維のタオルを使うのもおすすめです。
美容大国・韓国はあかすりの本場。「韓国に行ったら、あかすりをした方がいい」と言われることも多いです。韓国であかすりを受けた場合の効果を見ていきましょう。
■手が届きにくい部分や細かい部分の垢も取れる
自分であかすりをする場合、背中などの手が届きにくい部分や足の指、耳の後ろなどの細かい部分の垢を落とすのは難しいです。一方、韓国では全身をくまなくあかすりしてくれるので、自分であかすりをした時とは垢の量が比べものにならないほど多いでしょう。
■モチモチになる
韓国であかすりを受けると、最後に保湿ケアをしてもらえます。ボディを牛乳パックしてもらったり、顔をキュウリパックしてもらったりすると、美容成分が浸透して肌がモチモチになったことを実感できるでしょう。
■すっきりする
韓国のあかすりコースにはマッサージやシャンプーが含まれていることが多いです。あかすりと一緒にこれらのケアを受けると、全身がすっきりとします。
あかすりは健康や美容にさまざまな効果があると考えられています。肌状態が気になる人やダイエットをしたい人は定期的にあかすりをしてみましょう。あかすりでケアを続けていると、透明感のある美肌や引き締まったボディを目指せます。